せめて昨日のうちに書けばいいものを、エキシビジョンもとっくに終わってからのエントリーでございます。
ともあれ、遅くなりましたが、荒川選手金メダルおめでとうございます。
この記事を書くまでに、フルの演技を6回はテレビで見ました。佐藤有香の解説をもう少しで覚えそうです。
後半のイナバウアーからは圧巻でした。イナバウアー→3連続コンビネーションジャンプ→6種類(7かもしれない)のコンビネーションスピンの流れは本当に見る人を魅了するものでした。
持ち前の長い手足を生かして空間を掴み取るような演技でした。
ちなみに彼女の身長165センチはフィギュア選手としてはかなり高いです。
成績は総合191.34点。「要素」は62.32点でただ一人60点越え。パーソナルベスト更新。五輪女子フィギュア史上最年長の金メダル獲得選手。
上位3選手の演技を見るに、失敗しなかった人が勝利したという結果になりました。
他の気になる選手について書いてみます。
サーシャ・コーエン(アメリカ 183.36点 銀メダル)
2回転倒してしまった。
しかし「ガラス・ハート」「2分しか集中力が持たない」と言われてた彼女ではありませんでした。ミスをしてもそれが無かったの如く演技を続けました。以前の彼女ならそこからボロボロになっていたそうです。
年齢的には次のバンクーバーも狙えない事はないです。
ちなみに彼女のフルネームはアレグザンドラ・ポーリーン・コーエン(Alexandra Pauline Cohen)。「サーシャ」は「アレクザンドラ(男子名ならアレクサンドル)」の愛称。「サーシャ」だからロシア系かなと思っていたらウクライナ系だそうです。
イリーナ・スルツカヤ(ロシア 181.44点 銅メダル)
最初に言ってしまおう。
あれはスルツカヤちゃうねん。実力とちゃうねん。それくらい、いつもの彼女ではなかったです。やはり荒川の191.34点はプレッシャーだったようです。
荒川が金をとったのは嬉しかったですが、他の選手が取るとしたらスルツカヤにとって欲しかったです。
ところで、前からスルツカヤが誰かに似てるよなあと思ってました。…
ベッキーでした。ダンナにそれを言ったら「いや、
ベッキーがスルツカヤに似てるんだ」と叱られました。
彼女のフルネームはイリーナ・エドワルドヴナ・スルツカヤ(Irina Edwardovna Slutskaya)。「エドワルドヴナ」は「エドワルドの娘」という意味。
スルツカヤさんネタにしてごめんなさい。
村主章枝(175.23点 4位入賞)
この人の表現力は世界一だと思います。以前の採点方法だったらメダルが取れてたのでは。荒川の金メダルの影にかすんでいますが。女王スルツカヤがいた中で4位入賞はもう素晴らしいといえると思います。「氷上の女優(アクトレス)」と呼ばれる彼女ですが、私はむしろバレリーナに近いと思います(実際バレエの練習をしています)。
新採点法でフィギュアが体操的な方向に進んでいる中、実に貴重な選手だと思います。努力家として有名ですから、後進の選手は彼女から多くのものを学んで欲しいと思います。
本当に全く関係ないけど彼女のお母さんの家庭教師は小泉首相だったそうです。
安藤美姫(140.2点 15位)
4回転に挑んだのは本当に褒めてあげたい。
ただし彼女に足りなかったのはコーエンが今回見せたような精神力でしょう。
彼女の年齢を考えると、彼女をバッシングするのはバッシングする人の自己満足以外何の得にもなりません。
バンクーバーで、彼女は22歳。現役選手で充分出場を狙える年齢です。私が恐れるのは、あれだけ持ち上げていたマスコミがおそらく掌を返したように冷淡になる事で、彼女が選手を続けるモチベーションを持てるかということです。
4回転を成功させるには、体重を絞らないといけないです。彼女が過去に公式競技で4回転を14歳という年齢のせいもあります。ジュニアの選手は内臓が発達してないため体重が軽く成人選手よりジャンプが有利なのだそうです(浅田真央に特例が認められなかった一因でもあります)。今回彼女が18歳だったことはその点では不運だったかもしれません。これくらいの年齢はまだ成長期ですから成人を過ぎた選手より体重管理は難しいと思います。
とにかく彼女の将来の芽を摘むようなことは外野にして欲しくないと思います。
話を荒川選手に戻します。
彼女は、優勝した晩、1時間くらいしか睡眠時間が取れなかったそうです。
JOCが「メダル5個」などとフカしたせいで、彼女の負担は人一倍、いや、
人五倍だと思います。帰国後を考えるとちょっと恐ろしいです。
荒川選手が金をとらず、結果メダルゼロだった場合、今頃
マスコミは戦犯探しに終始していたと思います。
この金メダルで助かったのはおそらくスノーボードの某兄妹(特に妹)でしょうね。
アレクは今度、金芽米を食べてみたいと思います。